コラム

「自助」と「共助」の関係

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 朝の住宅街、8時半から9時過ぎにかけて介護事業者の送迎車をそこかしこで目にする。ちょうどデイサービスを利用する要介護老人を迎えに来る時間帯に当たっており、住宅街の生活道路が小さな渋滞になることさえある。
 たまたま高齢者の多い街に住んでいるからだと思いこんでいたが、最近になって周囲の人間と話していると自分の街だけでないことに気がついた。程度の差こそあれ、こんな光景が日本全国津々浦々で見られているようだ。
 公的介護保険が導入されてすでに12年が経つ。多くの要介護老人がその恩恵を受け、本人も含め要介護老人を抱える家族にとっても大きな支えとなっている。まさに「共助」の象徴である。
 その一方で「共助」の恩恵を受けることのできない人もいる。知り合いのケアマネージャーに聞くと、介護保険利用料の自己負担分(1割)が支払うことができず、介護保険の利用を節約している人がけっこういるという。
 
 いろいろと批判されることも多い介護保険だが、上手に活用すれば介護にかかる負担のかなりの部分をカバーすることが可能である。介護を受ける本人はもちろん家族にとっても頼れる存在になってくれる。
 あと1万円多く払えば10万円分の介護サービスを受けることができるのに、その1万円が払えないばかりに本人も家族も肉体的、精神的に大きな苦労を背負い込むようなケースが珍しくないらしい。
 利用料の負担軽減措置はもちろん講じられているが、それでも一定の負担は当然、必要である。最低限の「自助」は求められている。
 
 最近、そこかしこで「自助努力」という言葉を耳にする。もちろん自助努力は必要だが、個人で対応できない領域にまで自助を求める風潮はいかがなものか。とはいうものの、すべてを他者に依存するのも考えさせられるところがある。
 「自助」と「共助」の関係を考えさせられることが多くなった昨今だ。(2012.3.27)


下山の思想のすすめ

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 今、私たちの社会、国はさまざまな困難に直面している。従来の行動様式、思考ではもはや対処が不可能な状況に陥っている。そのためか政治、経済、文化さまざまな分野においてもう一度、この国に元気、活力を取り戻そうという動きが最近目立つが、どうも言葉だけが先走りしていて「?」と思うことがしばしばある。
 そんな思いを抱く方も多いと思うが、これからの私たちに求められる生き方、この国の進むべき道へのヒントとして最近、話題になっている書がある。五木寛之の「下山の思想」(幻冬舎新書)である。
 1945年の焼け野原からひたすら山道を登り続けGDP世界2位の世界有数の大国の地位を得た。いったん山頂を極めたのだから、後は山を下る時がきた。山を下る時には登る時とは違う歩き方がある、というのがその主張である。
 正に言い得て妙だ。今日よりも明日、明日よりも明後日の物質的な豊かさを追い続ける環境でなくなったのは賢明な方なら理解できるだろう。右肩上がりの成長神話の呪縛から脱し、足元に気を付けて粛々と道を下ることが大切なのではないかという考え方には大いに心を動かされるものがある。
 同氏の主張に対し、「敗北主義だ」という批判もあるが、必ずしも下を向いて歩けと言っているのではない。いったん山を下るということは、次の山を目指すプロセスでもある。経済大国という山の次にどのような山が見えてくるのか、その答えは私たちひとりひとりが見つけるものである。(2012.2.8)


鳥インフルエンザ菌が生物テロに悪用される?

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 国家試験対策特別講座の昨年23日に空路仙台入りした翌日(12月24日)現地で手に取ったサンケイ新聞に驚くべき記事が掲載されていました。
 「日本と欧州の科学者らが実験室で作ったH5N1型鳥インフルエンザウイルスが生物テロに利用されるおそれがあるとして…」
 広島や長崎に原子爆弾を投下させたのは政治家ですが、開発・製造したのは科学者です。昔から「マッド・サイエンティスト」という言葉があるぐらい、「科学者」という人種はある種の歪みの部分を持っていることがあります。良く言えば「子どものような心」を持っているのでしょう。
 しかし、人間は何かを
入手すると使ってみたくなる生き物なのです。感染症は人から人に拡がって、大きな被害を生むことが時に見られます。1914年から始められた人類史上初めての世界規模の戦争(第一次世界大戦)が1918年に終結を迎えるに際しての最大の要因は当時大流行した「スペイン風邪」(といわれたインフルエンザ)で、敵も味方も死んでしまったため、戦争が続行できなくなったことです。
 
わが国はかつての伝染病予防法、らい予防法、エイズ予防法などの法律を一本化して、1999年4月1日「感染症法」を施行しました。2003年11月5日に第1回の改正法が施行されました。この時、ちょうどその前後から大流行して約8000人が感染し、774人が死亡した重症急性呼吸器症候群サーズ (Severe Acute Respiratory Syndrome, SARS)とかつて人類を滅亡させかけた痘瘡(天然痘)が最も注意を必要とする1類感染症に加えられました。
 次いで2007年4月1日SARSは中国南方系でHLA(ヒト白血球型抗原)Bー46の所有者のみが感染しやすく、死亡率が高いことがわかったので、2類にランクが下げられ、新たに南米出血熱が加わりました。
 この時、1950年まで死亡原因の第1位で感染症法に組み入れられることを拒んでいた結核予防法がついに感染症法の仲間入りを果たしました。
 そして、2008年5月12日、再度の改正法が施行されています。この時はインドネシアを中心に3人感染すると2人死亡すると騒がれていたH5N1型鳥インフルエンザだけ、人畜共通感染症が集められている4類感染症から2類感染症(1類ほどではないがかなり危険なもの)にランクが2段階上げられています。
 インフルエンザはすべて本来、鳥のインフルエンザであって、それは鳥から鳥や、鳥から人には感染しても、人から人にはほとんどうつらないものなのです。
 しかし「鳥」がはずれて「インフルエンザ」となると、人から人に感染して、それが「流行性感冒」といわれる所以なのです。
 その恐ろしい「鳥インフルエンザH5N1型」を科学者たちが人から人へ感染するように実験室で開発したのです。
 現在、学級閉鎖、学校閉鎖が全国で見られています。いろいろな意味で「インフルエンザ」対策を十分に見直して、普通のインフルエンザに罹患しないように、手洗い、うがいを励行しようではありませんか。(2012.2.3)


本格的な人口減少時代に突入

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 平成24年の幕が開きました。平成23年もいろいろな出来事が起こりましたが、やはり「3.11」に尽きるのではないでしょうか。
 大相撲の八百長事件も生ユッケじけんも芦田愛菜ちゃんの活躍も、そして金正日国防委員会委員長(彼の紹介で全てのメディアが「総書記」と表記していましたが、国家元首としての正式な立場は「国防委員会委員長」だったのです)死去もすべて「3.11」の前ではかすんでしまうほど、私たちは圧倒的な衝撃を受けたのです。
 さて、同じ24年でも「1924年」はあの関東大震災の翌年に当たり、ちょうど今日とよく似た状況でもありました。また、その5年後の10月新興大国アメリカの「ウォール街の大暴落」が発生して、最も儲かるビジネスである世界大戦へと世界各国が(世界中のほとんどの人たちが望んでいないにもかかわらず)ゆっくりと、しかし着実に歩を進めていました。
 そして1933年1月30日、国家社会主義ドイツ労働者党のアドルフ・ヒトラーが選挙で首相になり、3月4日にはフランクリン・ルーズベルトが米国大統領になり、まさに世界大戦へまっしぐらに直進していったのです。
 このF・ルーズベルトの息子と結婚したのが満月様顔貌や中心性肥満の症状で有名な副腎皮質ホルモン分泌過剰のクッシング症候群を報告したハーヴェイ・クッシングの娘なのです。

 また「昭和24年」は日本においては第一次ベビーブームの年にして明治32年(1899年)に人口動態統計が取られはじめて以来、最高の270万人の赤ちゃんが誕生した年でした。ちなみに昭和22、23、24年のわずか3年で約800万人が誕生しています。
 そして彼ら、彼女等が成長するにつれて、市場規模の拡大、即ち経済発展へとつながっていったのです。
 また、翌年(昭和25年)6月25日に始まった朝鮮戦争も日本の経済復興の大きなポイントであったことはよく知られているとおりです。ただし、あまり知られていないのは経済成長した日本資金が北朝鮮はもちろん、韓国の経済を支えていたのです。
 さて、平成23年の人口動態統計(年間推計)についてみますち、出生数105.7万人(前年比1.4万人減)、死亡数126.1万人(同6.4万人増)となり、人口減少幅は過去最大の20.4万人とまさに日本が「人口減少社会」であることが明白になってきました。
 死亡原因では①悪性新生物35.8万人(前年比5000人増)②心疾患19.8万人(同9000人増)③脳血管疾患12.6万人(同3000人増)が上位を占めています。

 この報告で恐ろしいことが伝えられています。「一生涯結婚するつもりはない」と答えた男性は何と2.3ポイント増9.4%(ほぼ10人に1人です)、女性でも1.2ポイント増の6.8%(15人に1人)と独身志向の未婚者の増加傾向が顕著になっている現状は「今年の12月20日過ぎに地球が滅亡する」といわれているマヤ暦の話(笑)よりも、もっと現実的で恐ろしい問題ではないでしょうか。
 大国のリーダーが一新される2012年。良い年になるように人任せにせずに、私たちのできることから実行していこうではありませんか。(2012.1.10) 


坂の上に雲はあるのか

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 NHKが2009年から3年越しで放送した大作スペシャルドラマ「坂の上の雲」が終了した。司馬遼太郎原作の同名小説をドラマ化したものだが、閉塞感の蔓延する現在の日本社会を幕末から明治にかけての当時の社会におきかえてドラマを見た人も多いことと思う。
 頭上高く浮かぶ雲を目指し、一歩一歩険しい坂を登りつめ、ついには封建時代から近代化を成し遂げた明治期の日本人を作家司馬遼太郎は描ききっている。40年ほど前に発表された作品だが歴史小説の人気ランキングでは常に上位にある同氏の代表作でもある。
 
 今、この時代にドラマ化されたのも当時の日本社会を現在にオーバーラップして共感を求めようという狙いがあるが、ドラマに限らず政治や経済の世界でも同様の動きがある。維新や志士などという言葉がそこかしこで耳にする機会が増えたことに気づかれるだろう。
 現在の危機的状況、閉塞感を打破するには明治維新になぞらえて「平成維新」が必要だというのがほぼ共通する考え方である。確かに現状認識に間違いはないが果してその行く先に途は開けているのだろうか。
 昨年秋の「年金騒動」にすべてが象徴されている。厚労省は急速に進む少子高齢化を踏まえて公的年金の支給開始を68歳から70歳に段階的に引き上げることを検討するというニュースが報道された。これに対する勤労世代の反発は「国家的詐欺」という言葉が使われるほど激烈なものがあり、厚労省の姿勢も腰砕けとなった。
 すでに年金を受給している高齢者にとっては、支給開始年齢の引き上げや年金保険料引き上げは痛くもかゆくもない話である。一方、現役世代からは年金財政が危機的状況にあるならなぜ現状の年金受取額を引き下げないかという声があがる。いずれもそれぞれの立場になれば死活問題であり、妥協点を見出すことははなはだ困難だ。今年からはいよいよ団塊の世代が65歳以上の高齢者の仲間入りをする。医療、介護分野でも全く同じような状況が出現しつつある。
 
 いまこの国の抱える様々な問題を考える時、最後はこの「世代間格差」に突き当たる。成長期を終えた「老齢国家」である日本にとってこれを乗り越えることは事実上不可能である。全ての世代、地域、立場の人が納得する答えはもはや存在しない。私たちは坂の上に雲を見つけられるのだろうか。(2011.12.27)


ホウレンソウが国を滅ぼす

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 東日本大震災発生直後、救援初動体制の遅れに対していらだちを覚えた人は多い。避難所となった学校の校庭から手を振って救援を求める多くの人達、上空には自衛隊、警察、消防のヘリコプターが飛び回っている。しかし、ヘリコプターは着陸しようとはしない。
 理由は現場の判断で着陸、救助することはできないからだ。ヘリコプターを着陸させるためにはまず、先遣隊が陸路で現地に入り、着陸する場所を選定する。次いで現地の受け入れ機関と折衝し、態勢を整える。後方にいる管理者が全てを決め、そして初めてヘリコプターが救援物資を積んで飛んでくることになる。
 
 片や同盟国支援の一環として駆けつけた米軍の場合はいささか異なる。食料、衣料等身近に用意できるものを積み込んだヘリコプターは助けを求める人を見つければ、ヘリコプターの機長の判断で着陸する。校庭など狭隘な場所への離着陸は高度な技術が求められるが、機長が大丈夫と判断すればそれでOKというわけだ。現場で判断、行動する権限が認められている。
 「報告」「連絡」「相談」、略してホウレンソウ。何事も部下は常に上司に報告、連絡、相談し、その指示、命令を受けねばならない。まるで戦前の旧日本軍のような硬直化したはなはだ非効率的な組織がこの言葉の下、日本全国で誕生した。
 当初は官公庁や大企業だけであったが、最近は柔軟かつ迅速に動き回らなければならない中小企業や零細企業にまでホウレンソウが蔓延している。「失われた20年」、今、ホウレンソウがこの国を滅ぼそうとしている。(2011.11.18)


全国に拡散の怖れあるアスベスト汚染

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 2006年春の医療系国家試験(医師、看護師、柔道整復師など20種類以上あります)で「アスベスト(石綿)ー中皮腫」という選択肢が出題されました。以前にはほとんど見られなかった問題が出たのは、もちろん理由があります。2005年6月29日、クボタが以下のように発表しました。
 「クボタ元尼崎工場の従業員や工場周辺住民がアスベストが原因で発生する胸膜中皮腫や肺がんで死亡していた」
 6月28日に死亡したので、翌日発表したのではありません。以前から死亡が確認されていたのに何故、6月29日だったのでしょう。それは7月1日からアスベストに関係する法律が強化されることが決定していたからなのです。
 そのギリギリわずか2日前にクボタは自首したともいえます。その後のアスベスト騒動はまだ記憶に新しいのではないでしょうか。そしてアスベストは2006年全面禁止になりました。即ちまだたった5年しか経っていないのです。
 アスベストは非常に細い繊維で吸い込むと気管から肺に入り、15年以上を経て、肺がんや中皮腫を発生させることが知られています。また、アスベストが使用されているスレートの釘1本を抜くだけで、1000の繊維が空気中に浮遊するのです。
 
 さて、今なぜアスベストかというとあの東日本大震災なのです。1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神・淡路大震災でがれき瓦礫処理に従事した人達にもうすでに症状が見られ、3名が労災認定を受けています。
 かつては「夢の難燃性建材」といわれたアスベストが今、放射性物質で苦しむ福島を含む被災地に新たな難題として浮上してきたのです。まさに第二の被爆が現在進行形で起こっているのです。多くを知らされずに現地でボランティア活動をしている人達、故郷を離れずにがんばっている人達にとって、放射性被爆だけでも解決の目処がたっていないなかでのアスベスト被爆です。まさに前門の虎、後門の狼ではないでしょうか。
 20年、30年後に発病した時「2011年3月の大震災時に吸わされたアスベストが原因だ」と訴えても労災認定されることがほぼありえないだろうことは想像に難くありません。
 
 がれき処理にあたる作業員やボランティアの人達の映像がテレビの画面で流されていますが、その装備は非常に簡易なものです。大半の人が市販のマスク、軍手を付けている程度です。到底、アスベストを防ぐようなものではありません。事前にアスベストの危険性の説明を受けている人がはたしてどの程度おられるのでしょうか。
 新聞やテレビもがれきの量の多さは報道しますがアスベストのことは全くといっていいほど触れようとはしません。加えて、空気の乾燥する冬場に向けてアスベストの浮遊はこれからが本番とも言えます。
 今後、がれきが全国に移動されることを考えるとアスベスト被曝は決して東北地方だけの問題ではなく、日本全土に拡散する可能性が非常に大であることを忘れてはならないでしょう。皆さん自身の健康が将来、阻害される危険もあるのです。放射能汚染のことを心配される方は多いのですがアスベストのことまで考えておられる方はほとんどおりません。皆さん、くれぐれもご注意ください。(2011.11.16)


原因のない結果はない

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 発作性上室頻拍(PSVT)なんて聞いたことがないという方が殆どではないでしょうか。PSVTは不整脈を①徐脈性(1分間の心拍数が50未満のもの)と②頻脈性(100以上)に分けたなかで、②に属するもので、心臓上部(心房または房 室結節部)に興奮発達部位を有する頻脈を示すものです。突然、動悸が出現することと、時に著明な血圧低下が見られ、そのため、めまいや失神発作を引き起こす場合があります。
 7月13日、筆者は不整脈(頻脈)が早朝に見られ、その後各種検査(通常のECG(心電図)、負荷ECG、エルゴメーター(自転車漕ぎ)、そして心臓カテーテル検査など)を受けて、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞症)の疑いはなくなってほっとしていた矢先の出来事でした。
 9月24日、早朝また発作性の頻脈が出現し、前回(7月13日)は少し横になっていると治ったものが、今回はなかなか治らなかったのです。長時間経過する中でめまい、ふらつき等が出現してきたので、循環器専門のクリニックで処置(点滴や電気ショック療法)を受けて回復しました。
 そのクリニックの院長は非常に豊富な経験を持ち、説明も丁寧で処置の適切にやってくれましたが、「なぜ、頻脈が発生したのか」については「突然、何の前触れもなく発生するものです」ということでした。
 
 原因のない結果はありません。ということはPSVTという頻脈発作も何か原因があるはずですが、クリニックの対応は「頻脈を改善し、動悸を抑える」ものであって、根本的な治療にはなっていないのです。
 私たちの内臓は自律神経(交感神経系と副交感神経系)が支配していて、私たちの意志でコントロールできないものです。心臓も自律神経が支配していて、交感神経が作用すると心拍数が増えるのですから、自律神経のバランスが乱れているのが不整脈のひとつの原因なのです。
 ではなぜ、自律神経のバランスが乱れるのでしょうか。ひとつのそして大きな原因はミネラルの異常(不足)といわれています。ミネラルの不足が生じると、体内の酵素が作用しにくくなり、そうすると栄養素の代謝もうまくいかなくなり、全身にいろいろな症状が現れてくるのです。
 ミネラルは体内で合成できない物質ですので、食物で摂取するしかありません。大量に汗をかく夏が過ぎた頃に、体内のミネラルが喪失してミネラル欠乏症が発生し、その結果、酵素も作用しにくくなり、自律神経系も障害されてくるのです。
 
 筆者の畏友、朝川兼行栄養科学博士(予防医学情報研究所所長)は2度のノーベル賞受賞者であるライナス・ポーリング博士の理念を継承した人に与えられるライナス・ポーリング賞を2008年に受賞した人物なのですが、朝川博士は筆者の今回の不整脈の背景にはミネラル不足とそのため消費された酵素不足があると、看破されました。
 ポーリング博士の言葉に以下のようなものがあります。
 「極論すればすべての病気はミネラル欠乏症である」
 あらためて、食の大切さにきづかせていただいた次第です。(2011.9.28)


はじめに言葉があった

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 「はじめに言葉があった。言葉は神と共にあった。言葉は神であった。」これは聖書(ヨハネによる福音書)に出てくる一節です。何千年も前から言葉に不思議な力が宿っていることを多くの人は知っていたのです。わが国でも古事記や日本書紀の古代から「言霊」(ことだま)と言って、言葉にはそれ自体に一種の力があることを伝えています。

 さて、書店に行けば、企業創業者を筆頭に成功者といわれる人の書いた本が数多く並んでいます。皆さんキャリアも違えば進んできた道も全く違います。成功に至る道のりはまさに千差万別ですが、ただひとつ共通していることがあるのです。それは「必ず成功するという信念を持ち、前向きに物事にチャレンジする」という姿勢です。より具体的に言えば、「決して悪い言葉、マイナスの言葉は使わず、常にプラスの言葉を使う」ということです。

 「悪い言葉は悪いことを引き寄せ、良い言葉は良いことを引き寄せる」。古来、多くの人々は経験的にそのことを知っており、宗教や言い伝え、説話の中でそれを後世に生きる私たちに伝えているのです。そんな簡単に成功するはずなどないと思われる方も多いでしょうが、まず今日一日だけでも試してみて下さい。お金も手間もまったく必要とはしないので、損はありません。一日の終わりに「今日はちょっと良い日だったかなぁ」と微笑むことがきっとあるでしょう。(2011.9.16)


民主党代表選に大きな影響与えたNHKの誤報

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2006年9月、5年5か月の長期政権であった小泉純一郎氏からバトンは安倍晋三氏に。以降、福田康夫氏、麻生太郎氏、今となっては遠い過去のように思われる「政権交代選挙」で民主党が圧勝して大きな期待と共に登場した鳩山由紀夫氏。そして菅直人氏も先日、退陣して、野田佳彦氏が総理に就任したのは、読者諸氏のご存じの通りです。
 これだけ短期間に一国のトップが就退任を繰返しているにもかかわらず、社会がそれなりに機能していることは日本社会亜駕まさに政治主導ではなく、官僚主導で動かされている証左といえます。加えて、今回の民主党代表選でもマスメディアの暴走が見られたことをご存じでしょうか。
 8月29日、午後1時5名が出馬して代表戦が実施されたのですが、過半数を制する候補者がいなかったため、上位2者による決戦投票になりました。
 あのNHKが「馬淵澄夫氏は2位以内に残れなかった場合『海江田氏以外を支持する』と述べた」と決選投票を前にニュースを流しました。そのため、前原氏、鹿野氏の支持層は日和見主義的に勝ち馬、即ち馬淵支持者も支援するはずの野田氏に票が流れ、結果1回目で
2位だった野田氏が代表に選出されました。
 その直後、NHKは関ほどのニュースは「海江田氏以外ではなく海江田氏の誤りでした」と訂正の報道を白々しく流したときにはすべて終わっていたのです。
 もちろん、NHKが勝手に一国の総理を決めることになる民主党代表選に介入できるはずがありません。とすれば、NHKに意図的な誤報を流させる力を持っていたのはだれか。

 霞ヶ関の官僚や報道機関(特にNHK)で将来を嘱望される若手の多くは海外に出向します。しかし、アジア、アフリカ、中南米に出向することはありません。その多くは欧州(英仏など)か米国に行きます。現地で学ぶなかで重要なのは人的交流なのです。
 これは決して悪いことではありません。しかし、お勉強だけ一生懸命してきてあまり、深さも拡がりもない、即ち趣味や教養のない人間は現地では劣等感を持ち日本に帰ってくると、日本人に対しては安物の優越感を持つという怪しげな人間像が形成されることが往々にしてあるのです。
 そして彼らが日本人でありながら米国や欧州の意向を汲んで、日本の政治・経済を動かしているとしたら…。
 霞ヶ関の官僚、そしてマスメディアの人達、日本に生まれたのも何かの縁です。日本を愛して、日本人、特に子どもたちに優しくして欲しいと強く念じています。

一時のように福島第一原発のこともニュースにならなくなってきました。とはいっても状況が沈静化しているのではありません。私たちも含め、原発のことに慣れでしまってきており、ニュース価値が下がってしまったのが大きな原因です。海外の基準で見れば、今だに「FUKUSHIMA」で人々が生活を送っていることが信じられないことなのです。
 10年後、20年後、今回の事故で体内被爆した恐れのある人たちのがん発生率が高まるのではないかという記事が週刊誌に報道され始めました。科学的に検証したわけではありませんので何とも言えないのですが、新聞社系の週刊誌が報道していることを考えれば注意しなければなりません。
福島やその近辺に生活を送る多くの人達、その中にはこの国の未来を担っていく子どもたちもいます。子どもたちの健康管理には国家をあげて取り組んでいって欲しいと切望します。(2011.9.13)


(c) 社会医学環境衛生研究所 2008-