太陽の下、新しいものは何一つもない

カテゴリー: コラム / 2013 年 8月 11 日
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 今年も8月6日がやってきました。平成25年は昭和88年にあたりますので、もうあれから68年が経過しました。広島県内の小学生の三分の一は「8月6日午前8時15分」が何を意味するのか分からないという報道がなされていました。記憶は放っておけば必ず風化してしまいます。
 原爆と原発については3.11以来繰り返し本稿で述べてきましたが、放射性物質による放射線被曝(または被爆)の何が怖いかについて今一度触れておきます。
 地球が誕生して約35億年(らしいです)、そして人類が誕生して650万年(発見されている最古の化石から判断されているにすぎず、もっと以前に人類が地球上を闊歩していたようで、恐竜の足跡を踏みつけた人間の足跡の化石が発見されていますが「ない」ことにされています)。
 ヒトは23対46本の染色体の半分が父から、半分が母から与えられ、新たな生命として誕生します。そして男子、女子が成長すると、父、母になってまた新たな生命を誕生させて、連綿と過去、現在、未来へとつながっています。
 放射線は自然界に存在するあらゆる波のなかで、最も波長の短いもののグループに属します。紫外線、今日UV(Ultra Violet)カットでよく知られていますが、これは放射線でも一番波長の短いX線に次いで短波長であるがゆえに皮下まで到達し皮膚がんなどの原因となります。
 X線は知られているなかでは最も短波長であるがゆえに、人体を貫通してフィルムを感光するのです。この時に細胞に影響を与え時には前述の染色体、さらにそれを構成している遺伝子の配列を傷つけることでいろいろな障害を引き起こします。
 年間125万人死亡するなかで最も多い悪性新生物(いわゆるがん)による死亡が36万人。WHO(世界保健機関)はそのレポートのなかでがん死亡の10%は検査に用いられたX線が引き金になっているおそれがあると報告するほど、日本はX線使用頻度が高い、即ち必要以上に検査を実施していると警告を与えているくらいなのです。
 たった一個の受精卵のなかの核に存在する23対46の染色体が傷つくということは何万個、ヒトからヒトに伝わってきた遺伝子が変化させられる—異なる、新たな生命が誕生するといっても過言ではない事態に至る可能性があるのです。
 事故で片足(脚)を切断した人の子どもには当然左右両足がありますが、放射線の影響で片足しかなく生まれた人の子どもには何らかの障害が発生するリスクが高まります。
放射線は負の面を私たちは忘れてはならないのです。

 日韓、日中間の関係が過去になく悪化し、日朝間も北からさまざまな秋波が送られているにもかかわらず改善の兆しが見られませんし、日ロ間には北方領土問題が咽喉に刺さった小骨のごとく存在します。
 しかし、視点をちょっと変えて、昭和20年8月、4年にわたる戦争を制して掌中におさめた獲物(日本)をわずか68年で手放すはずがないとみれば、近隣諸国との関係が正常化しない背景が見えてくるのではないでしょうか。
 戦争の怖さを身にしみて知っている人たちがいる限り、人々を戦争に引き込むことは困難です。65歳以上人口が24%を超え、ますます上昇する今日、何かあると対決姿勢を示す人たちには「国際社会がプロレス」(筋書きのあるドラマ)であることが理解できないようです。そしてこのような人たちがのせられて大半の人たちが望まない不幸な事態に向かわせられたことは歴史を学べば一目瞭然なのです。

 AD3000年に古代ユダヤ民族を統一したダビデ王の息子ソロモン王の言葉を紹介します。
 「かつてあったことはこれからもおあり、かつて起こったことはこれからも起こる。太陽の下、新しいものは何一つもない」
 だから歴史を学ばねばならないのですが、為政者は愚民を望むがゆえに正しい歴史を国民に与えないのです。
 歴史を奪われた国民は未来を奪われているのです。即ち、私たちは今を知り、未来を知るために歴史を学ばなければならないのです。
(2013.8.9)


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