世界の政治・経済で偶然起こっているものなどない

カテゴリー: コラム / 2013 年 5月 15 日
Bookmark and Share

 平成25年5月11日(土)、小橋建太が幾多の名勝負が行われた日本武道館で引退記念試合を行い彼のプロレスラー人生を完結させました。力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木の三人はかつて金曜日8時の三菱電機一社提供のテレビプロレスで全国津々浦々まで今尚よく知られている存在ですが、日本のプロレスラー史上最強といわれているジャンボ鶴田、三沢光晴、橋本真也となると、その認知度は先の3人とは比較にならないほど、低いものです。
 
 それにしてもテレビの影響の大きさをあらためて教えられます。太平洋戦争で勝利した米国は徹底的に日本を分析した結果、すばらしい家族愛、世界一ともいわれる食生活等がアジアの小国をして米国に4年近くも対峙させたとの答えを出したのです。
 そこで今後支配していくことになる日本占領にあたって、日本人の精神を弱体化させるべく、3S政策(スポーツのS、スクリーンのS、セックスのS)を投入したのです。昭和28年2月NHKがテレビ放送を開始、また同年8月28日日本テレビ網が民放第一号として全国に映像を配信しようとしたのですが、何しろ「ソフト」がほとんどないのです。
 今では信じられないでしょうが、NHKがプロレスを生中継していたことがありましたし、夕方ともなればNHKはもちろん、毎日、朝日等すべての民放も大相撲を放送していたことがあったのです。そしてそこに見られたのはララミー牧場や名犬ラッシーなど米国製ドラマだったのです。
 そのころ、5月5日、国民栄誉賞を受賞した読売ジャイアンツの長嶋茂雄という戦後最大のスーパースター(阪神タイガースファンの筆者にとっては村山実や江夏豊、ランディ・バースも忘れることができない虎戦士ですが、やはり長嶋は特別な存在で「記録の王、記憶の長嶋」といわれるほど、「ええとこで必ず打つ」イメージが残っています)が颯爽と現れてきました。
 彼の登場に伴って読売巨人軍は全国区となり、テレビ中継(テレビで見られるプロ野球中継はほとんど巨人戦のみでした。阪神ファンは巨人戦以外はラジオ放送しかなかったのです)を通して爆発的な人気を獲得していきました。
 他の民放もプロ野球中継はしていましたが、日本テレビ網(大阪では読売テレビ)の独壇場だったのです。そして日本人はテレビを通してプロ野球、後にはサッカー(Jリーグ)などのスポーツ中継を楽しむようにさせられました。 
「プロレス中継の三菱電機」「プロ野球の読売新聞社」そして「3S政策の米国」とくれば何か判じ物のようですが、そこに見えてくるのは「3.11原発事故」なのです。原発建設に関与している大手重電メーカー、その原発を推進するために新聞紙面を最大限利用して原発アレルギーの日本人を原発支持者にした大手新聞、その新聞社の社主にA級戦犯であった元内務官僚のS氏をすえて文楽人形のごとく操った米国。
 
大好きなプロレス、そして鉄人といわれ、多くのファンに愛された小橋建太に何の罪もありませんが政治とはかくも私たち庶民の理解の及ばないところで綿密な計画をたててそれを粛々と遂行していくようです。
 かつて米国大統領フランクリン・ルーズベルトは「世界の政治・経済で偶然起こっているものなどほとんどない」と語っています。米国主導ともいわれるTPP、日本にとってはその推進はいかなる結果をもたらすのでしょうか。日本医師会においても「国民皆保険制度」の維持にむけて大きな関心を持つ旨を表明しています。(要は反対ということです)
 とにもかくにも小橋選手、多くの名勝負を(特に筆者の友人だったスティーブ・ウイリアムズ選手との三冠ヘビー級タイトルマッチは忘れることはできません)をありがとうございました。第二の人生でのご活躍を祈っています。(2013.5.15)


(c) 社会医学環境衛生研究所 2008-