マスコミによって作られたイメージに踊る愚

カテゴリー: コラム / 2012 年 11月 14 日
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 小沢一郎「国民の生活が第一」代表が被告となっていた同氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる一連の茶番劇に対する控訴審で東京高等裁判所は11月12日に同氏を無罪とした一審、東京地方裁判所の判決を支持、検察漢訳の指定弁護士たちの控訴を棄却する判決を言い渡しました。
 平成21年8月末の衆院選で野党(当時)の民主党が圧勝することが明白になりつつあった同年3月、功を焦った東京地方検察庁幹部は「小沢有罪」を前提に「西松建設の違法献金事件」で大久保隆規元公設第1秘書を逮捕し、翌年1月「土地購入事件」でも政治資金規正法違反容疑で石川知裕衆院議員、池田光智私設秘書、そして大久保元秘書の3人を逮捕しました。この結果、小沢氏に対する悪いイメージがねつ造されました。本来であれば、民主党代表であった同氏が政権交代にともなって民主党初の内閣総理大臣に就任していたはずなのです。
 
 小沢氏はよく知られているように日本憲政史上でも有数の「ホンマもの」の愛国者であったが故にロッキード事件で失脚させられた失意の中で脳血管疾患を患い、志半ばでこの世を去ったあの田中角栄元首相の秘蔵っ子で、彼のやり方を学び、白・黒・灰色の境界線をそして戦後政治のダークサイドをだれよりもよく知っている人物なのです。
 逆に言うと小沢氏を恐れている人達が各界に存在していたが故に、一致団結して彼を政治の表舞台から引きずりおろそうとしたのも理解できなくはありません。
 それにしてもあまりにも稚拙なストーリー、そしてあまりに杜撰な捜査に対して、本来批判的立場を取るべきマスメディアがいかに役立たずかを取るべきマスメディアがいかに役立たずかを満天下に知らしめる結果をもたらしました。
 東京高裁の判決に対する報道のなかで東京地裁に対しての批判はあってもそれを無批判で、いや後押しするかのような報道をした自分達に対する反省は殆ど見られないばかりか、同氏が起訴された時の報道量と比較して
明らかにその量が少ないのも笑止千万と言わざるを得ません。
 小沢氏が無謬にして、清廉潔白な人物だと言っているのではありません。優秀な官僚たちを使いこなすには陣笠代議士クラスでは到底ムリなのです。立法・行政の裏の裏まで知っている人物でなければ、戦後70年になろうとするなかで制度疲労しているこの国の体制を劇的に変化させることは困難だと思われます。
 今回の一連の出来事に対して主要野党の代表者の発言を聞くと、なお「小沢を有罪にしたい」病に冒されているようです。
 今後の日本を考えるにあたって私たちは十分、一人、一人の人物を注視、判断し、同時に社会の動きを監視していかねば「昔きた道」にまた、戻ってしまうかもしれません。
 
 政治と医学、いささか分野は変わるのですが、大手マスコミの能力不足は例の「iPS細胞」の虚偽発表で明らかになっています。
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)による世界初の臨床応用に成功したというM氏の発表を鵜呑みにした大々的に報道した大手新聞社が何社かあります。医学界に籍を置く人物に確かめれば「いささかおかしい」とだれもがコメントを出すレベルのものです。それ以前に件のM氏の名前をネットで検索すれば直感的に「?」となるはずです。そんな簡単な確認作業すら行なっていないということなのです。
 マスコミによって作られたイメージ、情報を闇雲に信じることほど危険なことはないのです。(2013.11.14)


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