話題の書、「空腹が人を健康にする」

カテゴリー: コラム / 2012 年 5月 16 日
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 連休明けの初夏に、関東地方で竜巻が起こっただけでも驚きなのに、何と雹まで降ってきました。一つひとつの異常気象については説明がなされていますが、なぜこのように頻発しているかについては何の説明もありません。
 4月の初め、筆者の知り合いが今年で第17回を迎える恒例の講演会を開催したのですが、例年は参加者を全開で迎えてくれる桜が全く咲いていないという異常事態でした。ということは今年の秋は大凶作になる可能性があることを示唆しています。
 数回にわたってお伝えした「食」の問題の最終回の今回、最近ベストセラーになっていう一冊の本を紹介したいと思います。
 「『空腹』が人を健康にする」(南雲吉則・ナグモクリニック院長/産マーク出版)、20121月20日初版発行のこの本は4月5日に第23刷ということで「30万部突破」とうたわれています。
 この本で南雲氏は「どんどん栄養を摂れば元気になれる、というのは古い考えである」どころか「空腹でお腹が鳴ると、身体にいいことが細胞レベルでどんどん起きて若返りの効果がある!」と言い切っています。
 彼はある時メタボ体型、そして様々な症状が見られるようになったのです。その時以降、様々なダイエット等にトライしたのですが、結局たどりつけたのが「一日一食」生活でした。
 彼は以降、10年あまり健康状態すこぶる良好であり、何より肌が若々しくなり、人間ドックで血管年齢26歳といわれるまでに若返ったのです。しかし彼には「本当に一日一食で健康に良いのか」「人にすすめても良いのか」という疑問がありました。
 
 それを払拭したのが、近年発見された「延命(長寿)遺伝子」なのです。あらゆる動物実験で食事量を4割減らすと1.5倍長生きすることが照明されましたさらに食事量を減らした方が、外観も若く美しくなることが分ってきました。
 若さや美しさは内面の健康の表れです。内臓が生き生きと活動し、血流も良くなれば肌つやもよくなり、ウエストもくびれてきます。
 逆に身体の内面が健康でなければいくら高い化粧品を使っても本当の美しさは生まれてきません。「見かけ」はすごく分りやすい健康の指標と言えます。
 南雲氏はそのためには①一日一食(または一汁一菜)②野菜は皮ごと、根っこごと、魚は骨ごと頭ごと③睡眠は夜の10時から夜中の2時までのゴールデンタイムを含むように、の3点を守れば、健やかで、若く、美しい体を手に入れられるでしょうと語っています。
 
 100年以上前、カール・V・フォイトが説いた誤った栄養学が世界中に流布して、皆が体に良いと信じていろいろ考えて食事をしているにもかかわらず、生活習慣病が日本にそして物の豊かな国(いわゆる先進国)にあふれている現状を考えると真実が見えてくるようです。
 常識というものは大切であり、社会の共通認識としての意味はありますが、ガリレオ・ガリレイの「地動説」を持ち出すまでもなく、「常識が正しい」わけではありません。正岡子規が食べ過ぎて、苦しみながら亡くなったことを今一度思い出せば、来るべき食糧難の時代にもあわてることなく対応できるのではないでしょうか。(2102.5.15)


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