小沢一郎=悪、長嶋茂雄=善の虚構

カテゴリー: コラム / 2012 年 5月 7 日
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 平成24年4月26日、あのチェルノブイリ原発事故から26年目のその日、被告人小沢一郎氏の無罪が確定しました。「国民感情」「市民感覚」などといういい加減な言葉をたてに「小沢一郎は無罪と言っても限りなくブラックに近いグレーだ」という論調でほぼ統一されていましたが、「小沢は悪いやつだ」とマスメディアが言い続けて、ところで「小沢は悪いやつですか」と問えば、大半の人は「はい」と応じるに決まっています。
 「秘書3人が有罪なのだから小沢には道義的責任がある」という論調もありますが、秘書3人の有罪の根拠が日本の刑事裁判の大前提である「推定無罪」を無視して、「推定有罪」という暴挙の結果の有罪なのですから、これもまた何の説得力もありません。
 それよりも調書をでっちあげて作成した検察の大罪を何故マスメディアは無視しているのでしょうか。
 政治家は清廉潔白でなければならないなど、子どもの論理で、政治家は国家のために全力を尽くせば良いのであって、「市民感覚」など持ち合わせていては、権謀渦巻く国際社会で対等にはりあえるはずがありません。
 
 常に何が真実なのかを見抜く目を持っていないと、マスメディアの洗脳にコロッとやられてしまいます。プロ野球開幕目前を控えて、朝日新聞が「読売巨人軍は協定を破って入団時に多額の観を渡した」と1面の大半を使って暴き立てました。現在、朝日対読売の対決はガチンコの様相を呈しています。1リーグ制を強行突破しようと渡辺恒雄オーナーがごり押しして、阿部選手や高橋選手を入団させたのだと言うことになっていますが、実はあの長嶋茂雄氏が大きく関与しています。
 かつて長嶋氏の采配に業を煮やして監督を解任した結果、読売新聞は百万に近い読者を失い、報知新聞にいたってはスポーツ新聞部門発行部数首位の座を明け渡して以来、二度と返り咲けないぐらいのダメージを読売グループは被りました。それがトラウマになって「長嶋茂雄」という名前は腫れ物に触るような扱いになりました。
 そして2度目の監督時代に「あの選手が欲しい、この選手が欲しい」と渡辺オーナーに泣きつき入団させたことが、今回の朝日新聞で取り上げられているのです。
 「彼は球界の至宝である」という意識が野球ファンならず、スポーツを愛する多くの国民の意識に刷り込まれています。長嶋氏に対する批判めいた報道はまず大手のマスメディアでは見られません。
 小沢一郎氏=悪、長嶋茂雄氏=善、スポーツと政治と全く異なる世界ですが、だれが決めたかわからない評価が既定のものになってしまっています。そして、多くの国民がそれに従順になっています。
 
 これは私たちの身体、健康に関わる世界でも同じような状況にあるのです。日本の医学界の常識は必ずしも世界の医学界の常識ではありません。例えば、私たちが風邪などで医療機関で診療を受けた場合、まず抗生剤が処方されます。しかし、欧米では安易に抗生剤を処方することはありません。抗生剤を多用することで、抗生剤への耐性菌が生まれ、いざという時に抗生剤が効かなくなっていることは医学関係者の間では知れ渡っています。それ以外にも、ほとんど効果が見られない多くの薬剤が日本国内では使用されています。
 「薬をたくさん出してくれる医師がよい医師」というおかしな固定観念が私たちの中にできあがっています。先の例と全く同じことです。
 この欄で何度も取り上げていますが、何が真実かを見抜く目をみなさん一人ひとりが持つ必要があります。 (2012.5.7)


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